むし歯についての総論
むし歯は、プラーク(歯垢)の中にいる虫歯菌が酸を出し、歯を溶かしてしまう病気です。初期の虫歯はブラッシングで治癒することがありますがある程度進行してしまうと悪化していく一方です。放置で治ることはありません。歯を末永く残すにはなるべく神経を残せる段階で虫歯治療をしましょう。

むし歯の症状
むし歯の発症初期では、歯の表面が溶けてツヤが無くな薄茶色にな自覚症状がありません。むし歯菌の酸により歯の表面のエナメル質が溶けてくると、その部分が変色したり穴があくなどの変化が見られ、歯がしみたりすることがありますが、痛みはあまり感じない段階です。
そのまま気付かずにむし歯が進行すると、やがて象牙質や神経まで到達し、刺激を与えなくても激しい痛みを伴います。痛みにより眠れないなど私生活に支障をきたすことから、来院キッカケに多いのがこの段階です。しかし実際はむし歯がかなり進行した状態ですので、自然治癒は困難であり、削ってむし歯を取り除き、埋めたり、神経の処置を行います。
更にむし歯を放置すると一時的に痛みがなくなることがありますが、歯の根元や歯茎に膿がたまり、より激しい痛みを伴うのみならず、最悪のケースでは抜歯になります。
むし歯の原因
むし歯の原因は、大きく分けて主に4つあります。
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お口の中の細菌
お口の中には数百種類の細菌がおり、その中の”ミュータンス菌”と呼ばれるむし歯菌が原因でむし歯になります。
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食事などの糖分
プラークに潜む細菌(むし歯菌)が食事などに含まれる糖分を媒体として酸を出すことで、この酸により歯の成分であるカルシウムやリンが溶けてしまいむし歯になります。
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時間経過
糖分がお口の中に存在する時間が長ければ長いほどむし歯菌の活動は活性化し、むし歯がどんどん進行していきます。
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歯の質
歯が形成される環境の違いや、遺伝などにより歯の質には個人差があり、むし歯になりやすい歯の質であることもあります。これらが複雑に関係してむし歯が発生します。
むし歯の種類
むし歯には、進行度合いによりCO~C4まで5種類が存在します。
C0
COは最も初期の虫歯です。歯に穴が開く前のツヤが無く濁った状態や薄茶色になっている状態です。この状態であれば、歯科医院でフッ素塗布や毎日の歯磨きにより進行を防げることから、治療をせずに経過観察とすることも少なくありません。
C1
C1まで進行すると、歯の表面のエナメル質に小さな穴が開いた状態です。この時点では痛みなどの自覚症状はほとんどないため、気づかないうちにむし歯が進行してしまうケースが後を絶ちません。この段階では歯を削って埋める形での治療となります。
C2
C2まで進行すると、エナメル質の下の層の象牙質に進行して大きな穴が開いた状態です。歯の神経に近いことからも冷たいものや甘いものがしみたり、痛みを感じることもあります。この段階では、むし歯を削った上で、状態や大きさによっては詰め物やかぶせ物での治療になります。
C3
C3まで進行すると、歯の神経にまでむし歯が進行している状態です。刺激を与えなくともズキズキとした激しい痛みを伴い、眠れないなど私生活に支障をきたします。詰め物では対応が難しくなり、神経をとってかぶせ物での治療になるため、通院回数や治療期間もより長くなる傾向です。
C4
最も深刻な状態がC4です。歯の根までむし歯が進行、歯を支える骨やその周囲の歯ぐきにまで炎症を及ぼし、他の歯のむし歯リスクも非常に高い状態であることから、多くの場合は抜歯が必要となります。また、歯の神経が壊死することで激しい痛みが一時的におさまることはありますが、歯根部に膿が溜まったり、骨まで進行すると、さらに激しい痛みや強い口臭を引き起こします。
虎ノ門の歯医者|デンタルオフィス虎ノ門のむし歯治療の流れ
Step1.
ご予約
まずはご予約をお取り下さい。お電話やネットからも受付しております。
Step2.
むし歯の検査
検査器具やレントゲンで、むし歯の進行度合いを調べます。
Step3.
治療計画の説明
むし歯がどんな状態なのかをご説明し、治療計画をご案内します。
Step4.
虫歯の部分を取り除く
虫歯の病巣を取り除きます。歯の神経まで感染が達している場合は、神経の治療も行います。
Step5.
詰め物や被せ物を装着
虫歯の進行度合いや大きさに応じて、詰め物や被せ物を装着します。
Step6.
治療完了
治療箇所をきれいに保つためのメンテナンスもお任せください。
虎ノ門の歯医者|デンタルオフィス虎ノ門のむし歯治療の費用
初診時は4000円前後(3割負担)かかります。その後進行度や治療内容により費用は異なります。
初期段階
¥1,500~3,000
前後(3割負担)
中度の場合
¥2,000~10,000
前後(3割負担)
詰め物やかぶせ物でセラミック等の自由診療をご選択の場合はその費用が掛かります。
重度の場合
¥7,000~30,000
前後(3割負担)
セラミックのかぶせ物やインプラント等での自由診療をご選択の場合はその費用が掛かります。
保険適用について
むし歯の治療では、健康保険が適用できる「保険治療」と完全自己負担で行う「自費治療」の2種類があり、基本的な治療では健康保険をお使いいただけますので、健康保険の負担割合により一般的には治療費の3割をご負担いただく形となります。
但し、保険治療では痛みを取る、機能回復するために必要最低限の治療(保険で認められた方法と材料)に限られるため、高い審美性や機能性、長持ちしやすい、むし歯になりにくさなど、より良い治療を希望される場合は、自費治療をお選びいただくことをお勧めします。
保険治療の主な例
むし歯を削る、神経を取る、抜歯する等の治療行為、銀のつめものや銀歯、保険適用の入れ歯など
自費治療の主な例
セラミックの詰め物、セラミックのかぶせ物、インプラント、金属床義歯やノンクラスプの入れ歯など
むし歯の予防法
むし歯の原因である「お口の中の細菌」「食事などの糖分」「時間経過」「歯の質」に対し、それぞれ適切な対策を取ることが、むし歯の予防法にとても重要です。
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食後は早めに歯磨きを徹底する
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磨き残しを除去するデンタルフロス、歯間ブラシ、マウスウォッシュを活用する
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長時間ダラダラと食事を続けたり、間食は可能な限り控える
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定期検診で歯医者に通い、フッ素を塗布して歯の表面の歯質を強化する
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乳幼児にむし歯菌に感染させないように口移し等は避ける