- マウスピースの保険適用条件が知りたい!
- マウスピースを日常で使う上での注意点が知りたい!
このような悩みを解決できる記事となっています。
この記事では、マウスピースの保険適用条件、マウスピースの保険適用外のケース、歯ぎしり対策でマウスピースを使用するうえでの注意点などについて解説します。
最後まで読むと、あなたが保険適用かどうかわかります。
【歯ぎしり対策】マウスピースの保険適用条件

マウスピースの保険適用条件は以下のとおりです。咬む力の負担が顎関節に過大にかかる場合と歯に過大にかかる場合に分けられます。
- 顎関節症の治療
- 歯ぎしりの影響で生活に支障が出ている
顎関節症の治療
咬む力の負担が顎関節に過大にかかる場合、以下のようなことが起きるでしょう。
- 口が開かなくなったり
- 咬むと顎の筋肉や関節、耳の付近が痛くなったり
- 口の開け閉めでカクカクなったり、ジャリジャリなったり
本来顎関節は骨のくぼみ(下顎窩)に下顎頭という骨が入りこみ、その骨と骨が直接こすり合わないようなクッション(関節円板)を介す構成がされています。
一方で、咬む筋肉群は咀嚼効率がもっともよいところに筋肉をプログラミングしていきます。これは無意識に起こります。
そのため、歯並びが悪かったり、きれいに並んでいるようでも骨格に対して歯が並んでいる位置が異常な場合、無意識のうちに顎の位置をずらして咬んでいることになります。顎の位置がずれると顎関節に負担がかかります。
そこで、マウスピースをはめることで歯を触ることなくマウスピースにより顎の負担が少ない咬み合わせを獲得する狙いがあります。
ただし、マウスピースは寝ている間にのみ使用するものになるので、基本的には日中には外すようにして下さい。
歯ぎしりの影響で生活に支障が出ている
一般的に言われている歯ぎしりとマウスピースを必要とする歯ぎしりはニュアンスが違います。
歯ぎしりのことを歯科用語ではブラキシズムというのですが、その中に3パターンがあります。
- クレンチング
- グライディング
- タッピング
クレンチングはぐっと食いしばる習癖です。
グライディングが歯をぎりぎりする、一般的に歯ぎしりと言われる習癖です。
タッピングは歯と歯をカチカチと無意識に何度も咬んでいる習癖です。
クレンチング、グライディングは他人にも気づかれにくいですが、グライディングと同じ歯ぎしりです。
このような歯ぎしりにより咬む力の負担が歯に過大にかかると、歯が削れたり、欠けたり最悪の場合歯が割れてしまい抜歯しなければいけないような状態になります。歯が削れれば、その分咬み合わせが変わったり、他の歯により負担がかかったりする恐れがあります。
歯の治療をしたことをきっかけに治療していない歯に負担が過大になり歯ぎしりが発症することもあるかもしれません。
また、食生活習慣や全身疾患がきっかけで歯が削れることもあります。
本来硬かった歯が、酢の物などの酸性の食べ物を頻繁に口にしたことで歯が溶かされ弱くなり削れていく場合や逆流性食道炎などで胃酸が上がってくることで歯が削れやすくなる場合もございます。
そこで歯を守るために、マウスピースを作成します。
【歯ぎしり対策】マウスピースの保険適用外のケース

マウスピースの保険適用外のケースは以下のとおりです。
- 審美目的
- 歯列矯正
- スポーツマウスピース
順番に解説します。
審美目的
ホワイトニングのためのマウスピースです。マウスピースにホワイトニングの薬液を入れて歯に装着することで歯にホワイトニングの薬液が浸されて歯が白くなるシステムです。
歯列矯正
歯を動かすためのマウスピースと矯正後のきれいな歯並びから歯が動かないように保定するマウスピースがございます。
スポーツマウスピース
コンタクトスポーツなどから歯を守るためのマウスピースです。
【歯ぎしり対策】マウスピースを保険適用で作成した場合の価格

咬み合わせまで考えられたマウスピースの場合は5000円程度です。咬み合わせは考量せず歯を覆っただけのマウスピースは3500円程度になります。
マウスピース(ナイトガード)の効果
マウスピース(ナイトガード)の効果は以下のとおりです。
- 歯と顎の関節への負担を減らす
- 歯の表面を保護する
- 詰め物や被せ物を保護する
- 歯並びを安定させる
順番に解説します。
歯と顎の関節への負担を減らす
上述のとおり、マウスピースという装置を介することで、咬む力が歯や顎関節にダイレクトに加わらなくなり負担が減ることが期待できます。
歯の表面を保護する
咬む力の負担が減ることと歯と歯の接触を防げることにより歯の表面が削れたり欠けたり割れたりすることを減らせる可能性があります。
詰め物や被せ物を保護する
歯と同様に歯の治療で装着した詰め物や被せものに対しても力の負担を減らせることが期待できます。
歯並びを安定させる
過大な力がかかっている歯がある場合その歯が動く可能性がありますが、マウスピースにより力の分散がされることで歯が動きにくくなります。
また、マウスピースをはめることで、マウスピースの型取りをした時の歯並びを維持する力が物理的に働きます。これは裏返すと長期間マウスピースをつけ忘れると歯が動いてしまって、マウスピースがはまらなくなる可能性があるので、注意が必要です。
歯ぎしり対策でマウスピースを使用するうえでの注意点

歯ぎしり対策でマウスピースを使用するうえでの注意点は以下のとおりです。
- 毎日の洗浄
- 正しい装着方法
- 定期的に歯医者さんに行く
順番に解説します。
毎日の洗浄
使用後は流水下で手でこすって洗ってください。
歯ブラシなどで磨くとマウスピースに傷がつき、より細菌が繁殖しやすくなります。
また、熱湯消毒などでもマウスピースは変形しますので、流水の温度にも気を付けてください。
化学的に消毒する場合は、マウスピース用の洗浄液や入れ歯用の洗浄液が口腔内細菌に効果がありますのでそういう薬液に浸けておくのがよいでしょう。
正しい装着方法
一般的には寝ている間だけに付けるものになります。
ほとんどの場合は上の歯だけに付けるものになりますが、付けっぱなしにすると付けてない方の歯だけが動いてしまい、外した時に咬み合わないということになり兼ねません。
例外的に、付けっぱなしにする場合や下の歯に付ける場合もあるので担当医に確認することをお勧めします。
定期的に歯医者さんに行く
マウスピースを持参していただけると、マウスピースのどこが削れているかを見て歯医者が調整する場合があったり、削れているところから寝ている間の歯ぎしりの動きを想像できたりします。
また、そもそもマウスピースをすることになった原因の経過を観察していきマウスピースによって状態がよくなっていっているかを診ていくことは重要です。
「歯ぎしりマウスピース 保険適用 条件」で検索する人のよくある質問(FAQ)

「歯ぎしりマウスピース 保険適用 条件」で検索する人のよくある質問は以下のとおりです。
- 保険適用になった場合、自己負担額はどのくらいですか?
- マウスピースはどのくらいの期間使用すれば良いですか?
- マウスピースが黄ばむ原因は何ですか?
- 歯ぎしりは遺伝しますか?
- マウスピースの作り直しの費用はいくらですか?
順番に解説します。
保険適用になった場合、自己負担額はどのくらいですか?
歯ぎしりや食いしばりによる顎関節症の治療目的でマウスピース(ナイトガード)を作成する場合、健康保険が適用されます。この場合、患者の自己負担額は約3,500〜5,000円程度となります。
マウスピースはどのくらいの期間使用すれば良いですか?
一般的に最初の1,2か月は口の中にマウスピースという大きい異物が入りますので違和感があります。
しかし、その後はしっかりと調整されたマウスピースの場合寝心地が良くなることが多くなり、マウスピースをし忘れて寝ると起きた時顎がつかれているのを実感される方が多くいます。
一般的にはマウスピースをするに至った症状が消えるまではされた方がよいかと思いますが、ケースバイケースなので担当医に確認されるのが一番良いと思います。
マウスピースが黄ばむ原因は何ですか?
マウスピースの材質は歯を守るために歯よりも柔らかいプラスチックでできています。
経年的な着色の可能性もあれば、微小な構造的な問題でマウスピース内に着色が入り込んでいる可能性もあると思います。
歯ぎしりは遺伝しますか?
遺伝の可能性は示唆されていますが、歯ぎしり自体には良い効果もあるため現代の医療としては歯ぎしりを止めよう、治そうという方針ではなく、歯ぎしりにより害を被る、歯や顎関節を守ろうという考え方になっています。
マウスピースの作り直しの費用はいくらですか?
保険診療では6か月経過しないと再作製はできないルールになっています。再作製の際は一回目と同じ費用がかかります。
一般的にはマウスピースが6か月以内にだめになってしまうことないのですが、まれにものすごい歯ぎしりの方で6か月もたない方もいらっしゃいます。その場合は担当の歯科医師にご相談してください。
デンタルオフィス虎ノ門の特徴

デンタルオフィス虎ノ門の特徴は主に5つあります。
- ご希望に沿った治療
- 多種多様な治療に対応
- 高度な技術
- 明朗会計
- 長期的な視点
順番に解説します。
ご希望に沿った治療
当院では、患者様が希望されている要望にお応えすることを第一に考えています。
そのために、患者様との会話を大事にしております。
どなたでも、自分の歯を生涯健康に使っていければと考えられていますが、歯医者での治療に対していろいろな不安や分からないことがある状態だと思います。
分からないまま行われる治療ほど、怖いものはないと思います。
お口の中の情報収集や患者様とのお話をさせていただく中で、不安や疑問は解消していただけるようにつとめています。
お口の中から情報収集したレントゲンや写真を供覧していただくことで、状態がより分かりやすく納得できる説明ができるようになります。
多種多様な治療に対応
当院では、患者様からのご要望にお応えするために、できるだけ多くの治療の選択肢を提供できるようにしております。
保険診療はもちろんのこと、保険外診療も幅広く行っております。
選択肢を多く提供できることで、ご要望に近い治療方法が見つかると考えています。
また、幅広い治療が当院で完結できる点も利点です。専門的な治療を一人の主治医が行うことにより各分野ごとの状態を網羅した上での診断ができるため、全体の整合性がある治療を提供できると思います。
高度な技術
より精度が高い治療を提供するために、学会やセミナーに参加したり発表をしております。
また、院長が主宰を務める勉強会では海外論文の抄読を行っておりグローバルスタンダードな治療を提供できるよう、学んでおります。
最新の設備や高精度な材料を導入しており、患者様にはもちろん、歯科医師から見てもうまいと思われる治療を提供できるよう意識しております。
明朗会計
多くの患者様がもたれている不安の一つに治療費がどれくらいかかるかという点があるかと思います。
特に保険外診療の場合に、治療費が高額であったり、その費用が適正価額なのか、追加費用がかかるのか、など疑問点が多いでしょう。
当院は、グループ医院を持つ法人の歯科医院のため、治療費の設定額は一般的な価額になっております。
また、治療前にすべての治療箇所や治療方法、費用について説明し相談した上で進めていきますので、ご安心いただけると思います。
長期的な視点
医療の進歩により人生100年時代と言われるほどになりました。
それに合わせて歯の治療も長期的な視点で治療をしなければいけません。寿命が延びても、硬いものが食べれない人生は1つ楽しみが減ると思います。
長期経過を報告した文献などを吟味し、患者様ごとに最適解を導けるればと考えています。
治療が終わった後も経過を見ていき些細な変化にいち早く気づければと思います。
当院では自費診療に関して最低5年間の補償をしております。保険診療で行われる、樹脂や銀歯の平均使用年数は5~7年と言われているのが、基準になっております。
まとめ
マウスピースにはたくさん種類があり、症状により調整方法なども変わってきます。
症状に対して、歯を削るなどの元に戻せなくなる不可逆なことをせずに、治療ができる点もマウスピースのメリットです。
気になる症状がある方は是非歯科医師にご相談ください。
この記事を書いた人

デンタルオフィス虎ノ門 院長 柳瀬賢人
所属学会・勉強会
- MjARSの主宰(歯科医師の勉強会)
- M:ALT’s(@土屋歯科クリニック&works)所属
- SJCD(日本臨床歯科学会)会員
- ITIベーシック・アドバンス サティフィケイト
経歴
- 東京医科歯科大学 卒業
- 名古屋大学 口腔外科
- 歯周病インプラント専門医Jiads講師のもとで勤務
- 医療法人複数歯科医院勤務
- 医療法人歯科ハミール デンタルオフィス虎ノ門院 院長就任